コンサルタントと資格~持っている人が多い資格とは?

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はじめに

写真:コンサルタントと資格~持っている人が多い資格とは?

コンサルタントという職業は、課題解決力、論理的思考、提案力、プロジェクトマネジメントなど、多様なスキルを求められる専門職です。その中で「資格」は、知識や能力を客観的に証明する手段として、またクライアントからの信頼を得るツールとして、一定の重みを持っています。

ただし、コンサルタントにとって資格は「必須」ではありません。現場での実務能力や人間的な信頼感が重要である一方で、資格は"入り口"として、あるいは"補強材料"として大きな価値を発揮します。(そもそもコンサルタント自体、資格なしでなれてしまう職業です)

本稿では、「多くの人が持っている資格」ではなく、実際のコンサルティング業務で重視される資格に焦点を当て、各資格の特徴や活用シーン、「なぜその資格が評価されるのか」、そして資格の限界についても考察していきます。

コンサルタントにおいて重視される資格(主要5つ)

1.中小企業診断士
2.USCPA(米国公認会計士)
3.PMP(Project Management Professional)
4.SAP認定コンサルタント
5.TOEIC(800点以上)または英語資格

1. 中小企業診断士

概要:
経済産業省認定の国家資格で、経営戦略、財務、人事、IT、マーケティングなど、経営に関わる広範な知識を体系的に習得できる資格です。

活用シーン:
中小企業や地方企業への業務改善支援、経営革新、事業再構築、補助金支援、行政機関との連携案件など、広範な現場で活用されています。

なぜ重視されるのか:
・経営の全体構造を体系的に理解している証明として有効
・中堅・中小企業に対する信頼性が高く、クライアントや行政との接点で「資格者」としての説得力がある
・二次試験での論述・提案型問題を通じ、実務能力の基礎を証明できる点が評価される

最近急伸している大手コンサルティングファームにおいては必ずしも保有率は高くないものの、地に足の着いた基礎的な資格として常に一定の評価を受けている資格という認識です。

2. USCPA(米国公認会計士)

概要:
米国の公認会計士資格。英語で受験・実務対応を前提とし、会計、監査、税務、法務、ビジネス全般の知識を網羅的に問われます。

活用シーン:
クロスボーダーM&A、IFRS対応、グローバル内部統制支援、外資系企業との国際プロジェクトで財務・会計領域を支える役割として活躍します。

なぜ重視されるのか:
・国際会計・財務に即応できる"即戦力"として認知されている
・「英語+会計」両方のスキルを一括で証明でき、グローバル案件に強い
・日本の会計士資格よりも取得ハードルは低めだが、実務対応力が高く、外資系企業からの評価が高い
・コンサルティングファーム内でも、昇進・国際案件アサイン時の加点要素になりやすい

特にコンサルティングサービスを実施するうえでは、国内の会計士資格よりも活躍機会は高いと言えます(もちろん会計士自体は非常に重要な資格ですが、監査に重きを置いているため、コンサル実務とは少し距離があります)。

3. PMP(Project Management Professional)

概要:
PMI(Project Management Institute)が発行するプロジェクトマネジメントの国際資格。PMBOKガイドに基づく知識体系で、世界中のプロジェクトマネージャーに活用されています。

活用シーン:
IT導入、大規模改革、グローバルロールアウトなど、複数ステークホルダーを巻き込む長期案件で、計画・リスク・進捗管理を担う場面に活用されます。

なぜ重視されるのか:
・プロジェクト成功に直結する"実務型スキル"を体系的に証明できる
・グローバル標準であり、外資系クライアントとの信頼構築にも有利
・コンサルタントが「提案だけでなく実行もできる人材」であることを示す明確な指標となる

PMBOKはよく整備された知識体系であり、定期的に更新もあるため陳腐化しません。特に大型案件に取り組む機会や希望がある人は、必ず関連書籍を一読しておいた方が良いでしょう。

4. SAP認定コンサルタント

概要:
ERP市場で圧倒的シェアを持つSAP社が提供する資格で、財務(FI)、購買(MM)、生産(PP)などの業務領域に応じたモジュールごとに認定されます。

活用シーン:
SAP導入・更改プロジェクトで、要件定義から本稼働までの全工程において、業務とシステム両面の専門知識が必要な場面で活躍します。

なぜ重視されるのか:
・SAP導入プロジェクトにおいて、専門性の証明=実務対応可能の証となる
・用語やロジックが高度なため、資格があること自体が"共通言語を話せる人"としての証明になる
•・SAP導入済みクライアントは多く、アサイン機会の拡大に直結する

特に「2025年の崖」問題で大きくフォーカスされました(現在はSAPが保守期間を延長したことにより、2027年問題とも呼ばれます)。SAP認定コンサルタントは2025年現在でも引く手数多であり、少なくとも今後数年は持っていると仕事に困らない資格であることは間違いありません。

5. TOEIC(800点以上)または英語力を示す資格

概要:
TOEICはビジネス英語能力を測る指標として広く利用され、800点以上は「業務遂行に支障のない英語力」と評価されます。TOEFLやIELTSも状況に応じて参考にされます。

活用シーン:
海外子会社との連携、グローバルプロジェクトでの英語会議・報告・資料作成、外資系クライアント向けの戦略支援などで活躍します。

なぜ重視されるのか:
・コンサルタントが国際案件で成果を出すには、英語力はもはや必須スキル
・TOEICスコアは客観性が高く、採用やアサインの判断基準として信頼される
・英語でのファシリテーション、資料作成までこなせる人材は、国内でも依然として希少

資格というよりもコアスキルに近いでしょう。また、昇格において英語能力を必須とするファームは一定以上存在するなど、必須要件として考えるべきです。今後国内市場がシュリンクしていく中で、日本のクライアントが海外を目指すスピードは加速していくことは間違いないため、これまで以上に活用する機会が増えるのではないでしょうか。

■ 資格を持っていることのメリット

1.信頼の獲得
クライアントや上司から「知識・スキルがある人材」として早期に認知されやすい。
2.専門性の可視化
提案内容に専門性を裏付ける根拠が加わり、説得力が増す。
3.キャリアパス上の優位性
社内評価、昇進、アサイン対象案件の幅が広がる。
4.自己学習による成長
資格取得のプロセス自体が、自己研鑽と論理的思考のトレーニングにもなる。

資格はわかりやすい自己アピールのようなものです。説明なしに一定の評価を受けることができます。

■ 資格だけではカバーできないこと

対人関係力・信頼構築:クライアントとの関係性は、誠実さと対応力の積み重ねが不可欠。
現場対応力と柔軟性:理論と実務が乖離する場面では、資格以上に柔軟な判断力が求められる。
問題定義力・仮説構築:コンサルタントには「何が問題か」を見抜く力が必要であり、資格試験では問われにくい。
リーダーシップ・育成力:上位職に求められるチームマネジメント、後輩指導力などは、経験によって磨かれるもの。

とはいえ当然資格だけでコンサルティング業務ができるわけではありません。資格取得によって得られた知識・経験を土台としながら、実際の業務をより効率よく・高度に回していくというのはある意味当たり前の話でしょう。

終わりに

資格はコンサルタントとしての成長と信頼性の強化に寄与する、大きな武器です。しかし、それはあくまで"スタートライン"に立つための証明にすぎません。実務では、資格で学んだ知識を土台に、クライアントの期待を超える「人間力」が求められます。
大切なのは、資格を"持っていること"ではなく、"どう活かすか"。
日々のプロジェクトでその知識をどう現場に落とし込み、どう価値を出していくかが、真に評価されるポイントです。
資格と実務経験、そして人としての誠実さ――これらをバランスよく育てていくことで、コンサルタントとしての厚みと魅力は着実に増していくのではないでしょうか。

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Profile

プロフィール

写真:戦略コンサルタント

戦略コンサルタント

新卒で内定したコンサルティングファームが買収され、そこからIT系、総合系ファームで様々なプロジェクトを渡り歩き、外資系戦略コンサルティング・ファームへ転職。現場から経営との対話まで多様な経験を保有する。


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